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海外視察報告4−1 Sahlgrenska大学病院活動 -スウェーデン-
海外視察報告4−2 Kannebacksskolan 市立聾学校 -スウェーデン-
海外視察報告4−3 Vanerskolan聾学校 -スウェーデン-
海外視察報告5−1 Escola Bilingue de Taguatinga -ブラジル-


 
科学研究費補助金(23330275)報告
海外視察報告4−1

Sahlgrenska大学病院活動
-スウェーデン-

  

聴覚障害療育センターはVastra Gotaland県内に4か所存在し、中核都市であるヨーテボリ市のセンターが一番大きい。この県の人口は約150万人。この県内では毎年18000人の子どもが産まれている。そのうち約25〜30人の子どもが新生児聴覚スクリーニング(以下、NHS)によって聴覚障害であることが発見されている。現在、Vastra Gotaland 県には1800人の聴覚障害の子どもが住んでいる。

  
海外視察報告4-1 (PDF 837KB)


 
科学研究費補助金(23330275)報告
海外視察報告4−2

市立聾学校
Kannebacksskolan(カナベックスクーラン)
-スウェーデン-

  

スウェーデンの義務教育:7〜15歳までの9年間。5〜6歳は保育園があるが義務ではない。ただし市は希望者に保育園を確保する義務がある。16歳児の90%が高校等に進学している。

20年前、県が「すべての難聴児は(ここから100km離れた)国立ベーネスクーランへ通うように」との通達を出し、それまでヨーテボリ市内にあった国立ベーネスクーランの分校が廃校となった。保護者の努力により、1994年市立カナベックスクーランが設立されることとなった。なお、遠方から通っている場合、市の負担でタクシー通学もできる(4年生くらいまでの複数の子が相乗りで来ている)。

聴覚障害児部門(110名在籍)と聴児部門(2倍の在籍数)が併置されている。
聾児の場合は0年生(プレ就学)から9(もしくは10)年生まででスウェーデン手話による教育を行っている。難聴児(人工内耳装用児も含む)に対しては、口話+補助デバイスの活用による教育を進めている。言語障害のある聴児も対象として6年生まで在籍している。

  
海外視察報告4-2 (PDF 338KB)


 
科学研究費補助金(23330275)報告
海外視察報告4−3

Vanerskolan聾学校(国立聾学校)
-スウェーデン-

  

1886年創立の国立聾学校である。
現在52人の難聴の子どもたちが在籍している。聾、難聴、CI児、言語障害(聴児)の子どもが在籍している。1クラス10人程度で構成され、各クラスに教員が2人配置されている。一人は手話を用いて、もう一人は音声を用いる担当になっている。0学年から10学年まである。教員も生徒もFMマイクを装着している。聾の児童、難聴の児童の混合で授業をしている。

今年(2012年8月現在)は52人の生徒と20人の教員が働いている。20人中6人が、聾または難聴の教員である。寄宿舎の職員、電子技術担当のスタッフ、臨床心理士(ろうスタッフ含む)などもいる。スウェーデンの学校には、臨床心理士、ソーシャルワーカ、言語療法士、看護師により構成される学校保健委員会がある。すべての職員が手話を使える。給食室のスタッフも手話を使える。今後は(国の方針で?)言語障害児の受け入れは行えなくなってしまった。寄宿舎は全部で4つある。52人中18人が寄宿舎に住んでいる。各寄宿舎に4人前後の児童生徒が寄宿している。

本校の在籍児に対して責任を負う他に、1年に3週間他の学校に通っている子どもが手話の勉強をするために本校を利用する。その子どもたちへの責任も期間中担うことになる。聴覚障害や手話について講義を行っている。

  
海外視察報告4-3 (PDF 1.2MB)


 
科学研究費補助金(23330275)報告
海外視察報告5−1

Escola Bilingue de Taguatinga
(ブラジリア市立聾学校)

  

本校は、ブラジリアで最も古いバイリンガルの学校(ブラジルでは聾学校とは言わずバイリンガル学校と言うらしい)にあたる。ブラジリアにおいて、1998年頃からFENEISという聾者団体により、バイリンガルの学校を求める声が上がった。聾者団体と、地域の学校に勤務する教員(小・中・高)とが協力して、バイリンガルの学校を求める動きが起き始めた。具体的に、教室やカリキュラムについての検討も行った。本校は、以前は通常の学校として運営されていたが、バイリンガルへの移行を目指し、しかし、現在でも物・質的な課題により、バイリンガルへの移行が完了したとは言えない。1998年から始まったこの運動は、2011年に正式に政府へと申請することとなった。

  
海外視察報告5-1 (PDF 675KB)

 

 

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